今回は私が毎日使用している、AFTERSHOKZのTREKZ AIRのレビューです。
使用することで判明したメリット、デメリットをまとめて使い方等の考察をしてみます。
基本情報
商品名:骨伝導ワイヤレスヘッドホン
価格:15000円前後
最大再生時間:最大6時間
接続端子:micro-USB
防水:IP55の防水、防塵有り
主な機能
- 骨伝導により、耳を塞がないため環境音の聞き取りが可能
- マイク付きによる通話が可能
- ボタン操作で曲の一時停止、着信受け取り、音量増減、曲送りが可能(曲戻りは不可)
使用した感想
概ね満足しており、毎日の通勤や運動時に使用しています。
音質は15000円の価格と考えれば悪い側です。iPhone付属のEarpodsのようなインナーイヤー型のイヤホンと同レベルの音質で低音が大して響きません。価格で言うと音質は3000円レベルです。ただ、TREKZ AIRには耳栓が付属しており、耳栓をした状態で聞くと低音も聞こえます。(耳栓したら骨伝導の意味皆無だけどね)
環境に応じて音量調整しないと音楽が聞こえないので扱いが難しいヘッドホンだと感じます。音楽の音を大きくしすぎると、ヘッドホンと肌の接触部分の振動が激しくなり、低音領域が音割れします。逆に音を小さくしすぎると環境音のせいで聞こえませんし。
音漏れは振動がわかるほど音を大きくしなければほとんどありません。他のレビューでは音漏れがしますと書いてあるのを見受けたのですが、おそらくTREKZ AIRを外した状態で音楽を流して確認されたのでしょう。肌と設置していなければ振動が空気に伝わるため音が耳で聞こえやすくなったのだと考えられます。私は友人に協力してもらい、テレビを流している家の中でTREKZ AIRを付けて音楽を流しましたが音漏れは聞こえませんでした。なので電車や人混みの中でも使用しても迷惑になることはないと思われます。音を異常に大きくしなければ。
接続性に関しては駅前などの人が密集しているところに行くと流石に途切れる場合があります。そうでなければほぼ途切れません。私は自転車通勤で途切れたことはありません。
メリット
◼️環境音が聞こえる事による安全性
ヘッドホン、イヤホンでは環境音が聞こえるのはデメリットにもなりうるが、TREKZ AIRのコンセプトではメリットになります。ジョギングやサイクリング時、環境音が聞こえないと危険ですからね。
音楽の音量によりますが、聴きながらでも会話することも可能です。流石に音量を大きくすると人の声と音楽がごっちゃになって聞き取れません。
安全性と言うならば、ワイヤレスなのでケーブルが引っかかることもありません。
◼️超絶軽い&柔らかい
わずか30g
何時間つけても痛くなりませんし、付けてることを忘れます。野球の練習時でも付けているのですが、キャチボールや素振りをしても全くずれませんし、動きを阻害することもありません。
また、素材がものすごく柔らかいので頭からの取り外しを片手で行うことができます。
◼️防水、防塵が強力
IP55の説明は以下です。
防塵:機器の正常な動作に支障をきたしたり、安全を損なう程の粉塵が内部に侵入しない。
防水:いかなる方向からの水の直接噴流によって有害な影響を受けない。(3mの距離から全方向に12.5L/min 30kPaの噴流水 3分間)
これらのことから、汗程度の液体では問題にならない。砂をぶっかけても壊れない、シャワー浴びても大丈夫。
ただ、スイミングでの使用は避けた方が良いでしょう。防水に関して噴流の想定はされていますが水中に潜ることは想定されていません(水中でも使うにはIP67レベルが必要)。
また、シャワーでも使えますがシャンプー等の洗剤関係は言及されていないので、その都度外すのが無難でしょう。
デメリット
◼️環境音が聞こえまくること
コンセプトではメリットでも実際使うとデメリットにもなりますね。環境音によって音楽が聞こえずらくなるので、音楽をしっかり聴きたい場合は音量調整をしないと微妙です。ただ、このヘッドホンの購入を検討している方は環境音を聞くことも目的の一つだと思うのでデメリットにはなりずらいかと思います。
音楽をしっかり聴きたい場合は家でリラックスしながら通常のヘッドホンを使うことをお勧めします。
◼️寝ながらは使えない
ワイヤレスなのでできそうな気がしますが音が聞こえなくなるのでできません。
TREKZ AIRは一体型で後頭部側にも本体があります。本体部分と後頭部とは触れないようにスペースが設けられています。耳付近の素材は柔らかいのですが、頭の後ろ側に位置する部分はしっかりした作りとなっているので曲がったりはあまりしません。これにより、後頭部を下にして寝た時に本体とのスペース分、耳の触れる部分が目の方向にずれるため振動が伝わらずに音が聞こえません。
◼️価格の割に音質が悪い
これは骨伝導という比較的新しい技術のため仕方ないと思いますが、音質とのコスパは圧倒的に悪いです。
考察
◼️使い方の考察
ジョギング・サイクリング等の運動時の使用がベストです。球技の練習時での使用もいいですが、TREKZ AIRにボールが当たると破損する可能性があるので時と場合によりますね。しかし、スイミングでの使用は想定された防水性がないので使用しないのが良いでしょう。
作業に集中したい時、リラックスする時の使い方には向きません。まぁ使えなくはないですが、コスパが悪いです。集中するためなら3000円のカナル型イヤホンの方が音質が良いでしょうし、環境音も欲しいならスピーカーの方が安いです。リラックスするにも後頭部をつけることができないので首が休まりません。うつ伏せ限定でなら可能でしょう。
家にいて家事をしながら音楽を聴きたいし、お子様の声やインターホンの音に気づきたいと言う主婦(主夫)にはお勧めです。最近の私はWH-1000XM3よりTREKZ AIRで過ごしている時が多いです。
◼️バンド演奏の時にクリック音(メトロノームの音)を聴きながら演奏できるか?
私はTREKZ AIRを買った時は通勤用と思っていたのですが、周りの音聞こえるならイヤモニより汎用性高いし絶対いいじゃん!って思っていたので検証しました。
検証内容
- 私がドラムを演奏し、メタリカのバッテリーをスタジオでバンド演奏します。
- 音量の調整はイヤホンのみで行う。バンドの演奏音に変化は加えない。
- 耳栓、イヤープロテクターの使用は可
①まずはヘッドホンの音量を普段使っている音量に合わせて演奏してみます。 結果:ハイハットの音に負けて聞こえない
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②音量を最大に変更して演奏する。 結果:音は聞こえないが、肌に伝わる振動でテンポがわかる。続けていると振動された部分がくすぐったくなり途中で止める。
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③音量を通常に戻し、耳栓をしてみる。 結果:メトロノームはバッチリ聞こえるが、ギター・キーボードの音が聞こえなくなる。
↓
④音量は通常でイヤープロテクター(音圧[db]を低減してくれる耳栓)をしてみる。 結果:①よりは聞こえるようになったが集中しないとわからない。
結論:演奏音の方が大きいため、TREKZ AIRの音が聞こえない。つまり 失 敗 !!
まとめ
以上でTREKZ AIRのまとめと考察を終わります。
このヘッドホンに求めるのは音質ではなく、環境音を聴きながら音楽も聴きたいと言う欲張りさんのためのヘッドホンです。
他の骨伝導よりも価格は高いですが、付け心地・使い心地は抜群なので選択肢の一つとして検討するのは良いと思います。